チックに対する治療の一つに鍼灸治療があります。
西洋医学で言われるところのいわゆるエビデンス(効果があるという証拠)という点ではまだまだ不明瞭な点もありますが、各書籍などにも記載があるように一定の効果が望めます。
私たちは関西在住なのもあり、ネットで検索して「大龍江中国医学センター」という中医学の鍼灸治療にたどり着きました。
治療の効果や実際通院して思ったことなどをまとめたいと思います。
大龍江中国医学センターの治療とは?
ここでは日本語の話せる中国人の女性医師が中心となり、たくさんの鍼灸師さんと治療を行っています。
治療は、
- 鍼灸治療
- 漢方治療
の2つがあり、基本的にこれを併用します。
鍼灸治療
チックの場合、細い鍼を頭部を中心に複数箇所刺してから、電気を流します。
電気は痛くない程度で流しますので、鍼を刺すときは痛みがありますが、治療中には基本的には痛みがありません。
痛みが出た場合を電気を下げてもらうことも可能です。
ここの鍼灸治療は他の鍼灸院よりも治療時間が長いのが特徴です。
これが中医学と主に日本人がやっている他の鍼灸との違いなのでしょうか。
他の鍼灸院の場合、せいぜい30分程度ですが、ここは2時間3時間は当たり前。
長い人ですと子供でも1日8時間治療を受けている人もいるようです。
漢方治療
西洋医学の場合、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)などの漢方治療が知られています。
ここの漢方治療は、ここの先生が所有する中国の山で作られた植物から調合された漢方で、中国から自宅へ送られてきます。
中身は何が入っているのかなどはわかりません(汗)。
漢方にはランクがあり、一番高いランクのものは8万円以上したと思います。
ランクの高いものほど質が高いのでしょうけど、成分表などは添付されていないため、見た目などではわかりません。
大龍江中国医学センターの感想は?
当初はなぜ鍼治療が脳内のドーパミンの関与するチックに効果があるのかが理解できませんでした。
また、小さな子供に鍼を刺し、長時間同じ場所に拘束することはこの病気にとても良いこととは思えませんでした。(この点は今もそう思います。)
ただそれでも症状はよくなっているので、一定の効果はやはりあると確信しています。
また、中国人の先生も鍼灸師さんも非常に熱心な方ばかりです。
治療を受けているときにトラブルなどがあればすぐに駆けつけてくれます。
大龍江中国医学センターの評判・口コミは?
遠方から通われている方も多く、遠方の方は平日はなかなか来れないので、土曜日にまとめて治療を受けるという方が多い印象です。
そのため土曜日は平日以上に大変混雑し、待合室でもたくさん子供が治療を受けます。
治療費も結構な値段がかかるため、そこまでする価値があるのか?と思ってしまいがちなのですが、やはりみなさんも一定の効果はがあると感じておられるのでしょう。
チック以外にもたくさんの病気で実績・治療効果があるようで、直近の予約はなかなか取れません。
西洋医学の先生は中医学についてどう思っているのか?
これまでこの病気を割と取り扱っている西洋医学の先生4人に鍼灸治療についての見解を伺いました。
皆さん口をそろえておっしゃるのが、
「一定の効果があるのかもしれないがエビデンスがない」
ということでした。
西洋医学の場合は、エビデンスを元に医療を行います。
ですので、エビデンスがはっきりしていない治療については、良いとも悪いとも言えないのです。
最後に
大龍江中国医学センターについてまとめました。
- とても清潔とは言えない。(最初見たときは衝撃を受けます)
- 時間通りに治療が開始されない。
- 時短されることがある。
- 待合室が治療を受けている子供でごった返している(きちんとした治療スペースが1人1人に与えられていない)。
などなど、不満がないわけではありませんが、それでも通っているのはやはりここの治療にはある程度の効果を実感しているからです。
ただし、この病気は完治する病気ではなく、付き合っていく病気です。
子供から大人のチック症やトゥレット症候群は完治可能な病気です。子供の間に発症する場合が多くそのまま放置していると大人になった状態でも症状は出てきます。子供の脳は若い為、治りが大人と比べると早いです。子供のために親が決断し、早期治療をオススメします! #チックhttps://t.co/kL3aZ7CTeY
— 大龍江中国医学センター (@dairyuukou8877) 2018年2月5日
このように「完治可能」と言い切るあたりが、どうなのかとも個人的には思います。
「完治とは病気・けがが完全になおること」です。
症状がなくなる=完治ではありません。
ここの先生もこの病気の原因はわからないとはっきりおっしゃっています。
原因がわからないのに、問題となる原因を完全に取り除き、完全に治ったという意味の「完治」という言葉を使われることには違和感はあります。(おそらく先生は、症状がなくなるという意味で使われているのだと思いますが、この表現は藁をもすがる思いで来ている親御さんに誤解を招きかねないと思います。)
あくまで鍼灸治療や漢方治療は補助的なものであり、この治療がすべてではありません。
睡眠の質を高めたり、日々の運動など子供のセロトニンを上げるような日々の心構えなどは絶対に必要と考えます。
また、西洋の治療との併用などを考慮する必要もありますね。