チック・トゥレット症の第一人者でもある野村芳子先生の野村芳子小児神経学クリニックを受診しました。

今回は、息子は連れて行かずに私(パパ)一人で話を聞きに行きました。

お話しした内容を簡単にご紹介したいと思います。

なかなか予約が取れない野村芳子小児神経学クリニック

まずなかなか予約が取れません(汗)。

とくに今回関西から受診をしたので、土曜日しか行くことができず、1ヶ月くらい先しか空いていませんでした。

(ちなみに以前電話で予約状況を聞いたときも1ヶ月くらい先しか空いていませんでした。)

ですので、受診をしたい場合は早めに予約をしましょう。

とくに症状が出て来て不安な場合は、なおさらですね。

場所がわかりにくい野村芳子小児神経学クリニック

野村芳子小児神経学クリニックは、JR御茶ノ水駅から徒歩5分くらいです。

ところがクリニックの地図が正直わかりにくいです。

野村芳子小児神経学クリニックHPより引用。

駅の逆側を探してしまいましたし、これだとセブンイレブンの隣くらいにあるのかと思ってしまいますね・・。

子小児神経学クリニックHPより引用改変。

これくらい注意点を書いておけば大丈夫でしょうか。

Googleマップで「野村芳子」と検索して向かうとクリニックと逆方向の瀬川ビル(もともと勤務されていたところ)が表示されますので注意しましょう。

そんなこんなで予定よりもかなり早くついたにもかかわらず、直前でドタバタでした。

野村芳子小児神経学クリニックを受診した理由

今回なぜわざわざ関西から先生のところを受診したかというと、野村先生はこの病気の第一人者であり、たくさんの子供を診察して来られたスペシャリストであるからです。

同じ小児神経であっても、それぞれ専門分野があります。

NPO法人日本トゥレット協会がチックやトゥレット症を診察できる医療機関を受診しましたが、受診したところは「広くさまざまな疾患を扱っているうちの一つにチックもある」、というスタンスでやっておられる感じでした。

ですので、本当のスペシャリストに話を聞きたいと思ったのがきっかけです。

で、何を聞きたかったかというと、

  • 自分の息子の現状から推測される今後
  • 親としてするべきこと

をメインで聞きたいと思いました。

とくにこの病気が怖いところは、今後さまざまな併発症を起こすことがあるということです。

併発症についてはこちらにまとめました。→【併発症まとめ】チックとADHDの関係は?他の合併症は?

つい目の前の症状の浮き沈みのみに目がいってしまいがちですが、この病気を学ぶにつれこの病気の恐ろしさは併発症にあるということがわかったからです。

待合室はこんな感じでかなり綺麗です。

あまり病院という感じはしません。

病院に子供を連れていくと嫌がって負担になるのでは、と思われるかたもこれなら安心です。

診察の内容

ここから診察の内容です。

  • 現病歴
  • 出生時のこと
  • 既往歴
  • チック・トゥレット症がどんな病気か
  • 今後するべきこと

現病歴

現在のチックの状態・出ている症状、それらがいつからどのように出て来たかを細かく聞かれます。

出生時のこと

母子手帳を持って来てくださいと予約の際に言われましたが、ここで詳細に母子手帳をチェックされます。

  • 何gで生まれたのか
  • 母体の出血量はいくらだったのか
  • 出生時にトラブルはなかったか
  • その後トラブルはなかったか
  • 発達の過程でのトラブルはなかったか
  • ハイハイはちゃんとしたか
  • 言葉に遅れはなかったかな

などを母子手帳をもとに詳細にチェックされ、聞かれます。

この辺りは出産時の状況などが発症に関与していると言われているためだと思います。

そのあたりのチックの原因についてはこちらにまとめました。→【まとめ】チック・トゥレット症候群の原因!しつけ?遺伝?

既往歴

子供が出生後どんな病気をして来たかなどを聞かれます。

チック・トゥレット症がどんな病気か

そもそもこの病気がどういう病気なのかを説明してくださいました。

チックには単純運動チック、単純音声チック、複雑運動チック、複雑音声チックがあり、一過性・慢性に分けることができることや、トゥレット症の定義、何歳から始まってどういう経過を取ることがあるか、書籍にも記載のある一般的なところを解説してくださりました。

さらに私がこの病気について学ぶ姿勢があるのを察してか、不随意運動(本人の意思と関係なく出てしまう)であるチックの研究には、チックとは全く逆の動かない病気(瀬川病(ジストニア))の睡眠時の研究が参考になることなどを説明してくださいました。

チックをもつ子供の親としてするべきこと

今の自分の息子の状態から今後どうなるか、どうなる可能性が高いか。

結論から言うと、それはわからないと言うことでした。

  • もしかしたらチックは消えるかもしれないし、消えてもまた出るかもしれない。
  • ADHDやOCDといった併発症は今後起こるかもしれないし、現状でもそういった要素は少し含まれているかもしれない。
  • 一般的には10代でピークを迎えるが個人差もかなりある。

そして、大事なのは環境を整えることだと言うことでした。

環境を整えるとは?

環境を整えるためにするべきことは

  • 早寝早起き
  • 昼間の手足交互運動(歩行や水泳など)

を徹底して行うということでした。

人の1日のサイクルは26時間である。実際は24時間なのに。

なので、子供の好きにさせていたら、就寝時間は狂ってくる。そこで親が徹底して決まった時間に寝させるようにする。

また日中の運動が大事であると言うことでした。

これには根拠があり、脳幹(セロトニン系など)→大脳(ドーパミン系など)と脳が発達する過程で、セロトニン系と関与するこれらの2点(早寝早起き、運動)を徹底することで、大脳の発達に良い影響を与えると言うことです。

すなわち、チックや併発症の予防に結びつくと言うことです。

このことは先生の取材記事にも記載がありました。

環境要因が深く関わる場合が多いと言われている病気ですので、早期に睡眠のリズムを整えてあげ、ハイハイの年齢になりましたら手足の交互運動を促すことを指導してあげるだけでも症状をやわらげることができる可能性が高くなるはずです。(Doctors file

これらを踏まえてこちらにまとめました。→チックの治療にはセロトニンが鍵!睡眠・運動が重要!

最後に

この病気について調べるとつい未来が暗くなります。

しかし、決してそんなことはないということが今回わかりました。

そのために大事なのは環境を整えること。

この病気は、来るべき未来を怯えながら過ごすのではなく、積極的に親が関与して環境を整えることでその未来もより良いものになると言うことがわかりました。

この病気は発症自体は、環境よりも、遺伝的な要素が高いとされていますが、その後どうなるかは環境が大事だと言うことです。

つまり、未来はわからないと言うことであり、未来は自分たちで作っていくと言うことです。

先生にそのように言われたとき、大好きな映画「Back to the futureⅢ」の最後のシーンが脳裏に浮かびました。

恋人のジェニファーが、未来から持ち帰った「お前はクビだ」と書かれた紙の文字が消えてしまいます。

なぜ消えたのかジェニファーはドクに聞きます。

するとドクはこう言います。

「それは未来はわからないと言うことだよ。未来は君たちが作っていくんだ。」

 

自分たちの未来を知ろうとして、タイムマシン(野村芳子小児神経学クリニック)を使おうとしましたが、御茶ノ水の博士(先生)に最も大事なことを改めて教えてもらいました。

 

なんと言うか、ちょっとこの病気関係の書籍を読みすぎたせいで頭でっかちになっていた気がします。

悩んでいた答えは、小学校の頃から見ていた映画の最後にあったと言うことです。

 

野村先生「遠いところよく来てくれた!頑張ろう!」

私「はいっ!!(泣)」

 

改めて前を向いていこうと思いました。

本当に受診してよかったです。