チック・トゥレット症候群と東洋医学の関係を調べてみました。
まず、チック・トゥレット症候群という東洋医学の病名はありません。
ただし、小児の身体的生理から病因を説明し、その治療を行うことは可能と考えられています。
チック・トゥレット症候群と関与している臓器は、
- 肝臓
- 肺
です。
中でも肝臓との関係がとくに強いようです。
肝臓とチック・トゥレット症候群の関係
肝臓には
- 新陳代謝(疏泄:そせつ)
- 血液の貯蔵と血量調節の機能(蔵血:ぞうけつ)
の機能があり、
- 筋肉を主る(つかさどる)
- 目に開竅(かいきゅう)する:目の意識をはっきりさせる
といわれています。
筋肉の調節を行い、まばたきの調節を行うと言うことと思われます。
ですので、肝臓の調子が悪いと、過剰なまばたきや他の筋肉の不随意運動が起こる(すなわちチックの症状)ということです。
弁証(西洋医学で言うところの診断名)では、
- 肝鬱気滞:新陳代謝(疏泄:そせつ)が失調を来している状態、つまり新陳代謝が悪くなっている状態
- 肝血虚:肝臓の血液が足りていない状態。運動系の異常などが見られる。
- 肝陽上亢:若年者の高血圧症・頭痛が見られる。
- 肝陽化風:肝陽上亢に続いて起こる。顔面神経麻痺・片麻痺などが見られる
などに相当するようです。
肺とチック・トゥレット症候群の関係
小児の肺は大人に比べて未熟であり、そのため1回あたりの換気量が少なく、その分、呼吸数が多くなります。
肺は呼吸により、外界からの影響を最初に受けるものの、防御機能が十分ではないため、肺炎や気管支炎などにかかりやすいと言われています。
また、肺は声を出すこと(発声)にも関わるとされます。
怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の7つ感情を中医学では、「七情」と呼びますが、これらのバランスが崩れると臓器に影響を与えるとされています。
中でも「憂」・「悲」の2つは肺に影響を与えるとされます。
つまり、憂鬱や悲しみという感情が強いと、呼吸器系の働きに影響を与え、チックの症状である鼻翼の不随意運動や、咳、さらには音声チックを生じるのです。
季節の変わり目や新学期になると、子供は様々な不安を抱えそれが「憂」・「悲」という感情となり、症状が出ると言うことです。
最後に
小児はもともと、肝臓や肺の機能が弱い傾向にあり、それが過度になった場合に、チック・トゥレット症候群などの症状を起こすと考えられています。
これらの臓器への影響は、感情のバランスの崩れ・ストレスも影響するため、両親や家族と本人の関係も深く関わっており、環境の整備がまず大事とされています。
子供の感情のバランスの崩れは未熟な臓器に影響を与え、それが原因で症状が起こるということです。
結局、両親がどっしり構え、家族が仲良くゲラゲラ笑い飛ばすことがまずは大事であるということです。
この点は、西洋医学で言われていることとも同じですね。
参考文献)実践小児はり法 医歯薬出版株式会社 P107-111
私の場合は頸肩腕症候群の異常の様なものでした。本場・中国鍼灸でトゥレット症状はなくなりました。以後、再発する兆候は見られないです。(本当です。)